蠅の女王

小倉涌 画家 美術家 アーティスト 歴史画

展覧会の感想をTwilogから発掘する(壱)レーピンから近代日本画、コンテンポラリーまで

 Twilogで可能な限りの展覧会感想を掘り出してここに並べるシリーズ、始めてみます。第一回目は2010年7月から2013年7月まで。2010年以前のは取り出せませんでした。今後、第2回第3回と続きます。

束芋:断面の世代

大阪国立国際美術館 2010年7月
http://www.nmao.go.jp/exhibition/2010/id_0710164354.html



ICC OPEN SPACE2010

ICC 2010年11月、ちょうど油彩テンペラによる初個展の開催(http://d.hatena.ne.jp/YOW/20101119/p1)で東京に滞在してた時。

http://www.ntticc.or.jp/ja/feature/2010/Openspace2010/Works/index_j.html

作品の説明するツイートしか出来ていなくて、面白い展覧会だったけど割愛、しようかと思ったけど、自分のための記録でもあるのでいちおう。
クワクボリョウタさんのこのインスタレーションはこの時が初見



池田亮司

ギャラリー小柳 2010年11月

2009年に都現美での池田亮司展を観てからファンです。2010年以前のはTwilogでは掘れないのよ。
http://ryojiikeda.mot-art-museum.jp/







蛇足でした。


山川冬樹さんのインスタレーション

東京都現代美術館コレクション展 2010年11月

この時、タイムラインではNHK大河の龍馬の話題で埋まってたんですよねえ


小谷元彦 幽体の知覚展

森美術館 2010年11月
https://www.mori.art.museum/contents/phantom_limb/exhibition/index.html

ん、この時はまだこれだけか。


MOTコレクション クロニクル 1947-1963|アンデパンダンの時代

東京都現代美術館 2011年4月
http://www.art-it.asia/u/admin_expht/qiftFyXI83BhWLrVDzE2

中村宏氏の絵と比較されることがあって。まあこの後、観た反五輪の作品では「ああやっぱり巧いなあ」と思わされることもあったり。


フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展

Bunkamuraミュージアム 2011年4月
http://www.bunkamura.co.jp/old/museum/lineup/11_vermeer/index.html

古典の銅板を基底材にした細密描写観ると、一つの埃も混じってなかったりしてたぶん、漆器職人さんのように、生活空間と作業場をしっかり分離して、作業場には何も持込まないようにして描いてるんだろうなと思ったりする。うちらは生活空間の中で作業もしてるから。
そう、未だに調べてないのでよく分からない。




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2011年8月にはニューヨーク10日間の旅行へ。メトロポリタン、グッゲンハイム、MoMAMoMA PS1、ニューミュージアムチェルシー街等巡っての美術展の感想を下記にてまとめてる。

↓その時の二つだけを抜粋



岸田劉生

大阪市立美術館 2011年9月
http://www.osaka-art-museum.jp/sp_evt/past_23_kishidaryuusei2



榎忠展

兵庫県立美術館 2011年11月
http://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/t_1110/index.html









https://youtu.be/QzWOYvrfCPI*1


レーピン展 国立トレチャコフ美術館所蔵

Bunkamuraミュージアム 2012年10月
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/12_repin/index.html

これは、ヴァシリー・イワノヴィッチ・スリコフの描いたロシアでは最も有名な絵画の一つ『モロゾーヴァ夫人の逮捕』という大作のことなんだが、


小さい頃実際に観たというのは、これの大作のための習作の方だったんだよな。まあしかし、内心を咎められ逮捕される状況が芸術作品として描かれる、というのが子供なりには衝撃的で、同時期に観たレーピン筆による複数の『革命家の逮捕』と題する絵画とともに、その後の私の人格形成に大きな影響を及ぼしたのだったw


回り回って2018年開催する個展『二月革命』で、モロゾーヴァの帰依していた「古儀式派」をテーマに入れ込むということになろうとはこの時思いもしてなかったりして。モロゾーヴァ夫人の逮捕のオマージュも作品の中に入ってます。



後年、古儀式派について調べだすようになると、皇女ソフィアも古儀式派の思想的背景があったと分かるなど
↑この辺、まだ調べてないが、Wikipediaによれば、ソフィアは政治に乗り出したことから「ふしだらな醜女」という中傷を流され、レーピンのこの大作もそのスタイルに乗っ取ってることから、まあ矛盾は無いと考えてよろしいかな、分からないけど。


京都国立近代美術館コレクション展

2013年7月

こういう温かで且つ巧い絵画の良さは、画像では半分も伝わらないよなあ、


竹内栖鳳、てすさびで描いたラフな絵でも、一目で腕の良さが伝わる。でも自分には心からは良いなあと思えないところがある。うーん何とも言い難いw







今回はこれまで。次回に続く。

*1:『2011/08/31 に公開 ナチス占領から起こった旧ユーゴスラビア動乱の時代を背景に、50年間も地下生活を送った人々の姿を狂騒的に描き、カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞するなど高い評価を受けた群像劇。終戦や国家解体を知らない地下生活者、戦争を機にのし上がるパルチザンなどが、ジプシー音楽をバックに混沌としたドラマを繰り広げる。監督は、『ジプシーのとき』『パパは、出張中!』といった作品で、世界中にファンを持つエミール・クストリッツア。戦争への強烈な皮肉とブラックユーモア、エネルギーあふれる独特の世界観に圧倒される。』

今年の年賀状絵と、既に来年のことを考えてしまう私。

紙にペンとインク、CG


 ↑昔の私を知る人は「20歳代の小倉さんの作風に戻った」と思うことでしょうw 年賀状用に慌てて描いたのでした。
 2018年の年賀状は映画『戦艦ポチョムキン』の中の場面、人々が小舟を出してオデッサに寄港したポチョムキン上の叛乱兵に食糧のカンパをするところを俯瞰で見てる、というのでした。2017年公開の映画『ダンケルク』でも、ラスト近く、色とりどりの民間船が救助に到着して、兵士を乗せた軍用艦と並ぶシーンがありまして、『ポチョムキン』と『ダンケルク』が頭の中で重なったりしてましたね。




   『戦艦ポチョムキン』(1925)より

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 今年秋には東京で個展を開催することとなりました。まだ絶賛制作中ですが、上層描きといって、今が一番描いてて楽しい過程で、来年の今頃になれば、また絵を描くよりも調べ物の毎日に戻ってしまうのかと思うと、この過程をちゃんと噛み締めておこうと思ったり。
 今年の抱負は、前半はもう個展を目指すことしか無いのですが、後半は、英文ブログを…新たに開設しようかと思ってたり…。まあここに書いた記事を英文に移すというだけですが。


 それはそうと、次回からTwitterでこれまで書きつけた美術展の感想をTwilogで掘り返して、ここで並べてみようと考えてます。Twitterアカウント作ったのが2007年7月で10年経つわけですが、いつ何を観たか記録が取り出しにくくなる前に、やっておこうと前々から思ってました。そんないっぱい回ってる方でも無いのですが。ボチボチと。
 ではでは

抗ガン剤治療開始から丸一年、治療終了から8ヶ月。髪もショートヘアに戻り。

 医療帽の検索で私のブログを見にこられる方も多く、近況お知らせをば。


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2016年記事:
●『医療用帽子とか、抗ガン剤治療中の患者が読む本で、私が買ったモノをさらす。』
http://d.hatena.ne.jp/YOW/20160829/p1



●『ヘアドネーションと抗ガン剤投与の私』http://d.hatena.ne.jp/YOW/20160726/p1
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 2016年8月1日から通院による抗がん剤(CEF療法)に入り、11月に終了しまして、12月入る頃にはポツポツと毛穴から黒いものが芽生え始め。初春には5分刈りぐらい。7月半ばには7cm強の長さになってようやく美容院にてこのように揃えてもらいました。美容院に行けるのが、どんなに待ち遠しかったことか!白髪が多くなる可能性、強いクセ毛が生える可能性などネットで知り、それらにも対応した髪型を検索し眺める日々。白髪が多くなった場合は、もう何てたって、デヴィッド・ボウイですよ!




 とりあえず特に髪質の変化もなく、私の場合は元通りです。あともう少しサイドなど伸ばしてから、プロフィール写真を撮り直そうと思っております。



 抗癌剤治療中は、吐き気なども薬によって抑えられ普段どおりの食事をしていましたし、普段どおりの活動をして過ごすことが出来ました。また、その間、シン・ゴジラ熱、この世界の片隅に熱、トランプ・ショックとビッグイベント目白押しでしたので、退屈するヒマもありませんでした笑。制作の方は、まじでドラクロワ、ジェリコーの大作に並んでも当然のレベルの作品にしようと日々描いてます。あー、最近は背景のケシの花をせっせと描いてます。写真では前回と代わり映えの無いように見えますが。この夏はどこにも出かけられず、アトリエに引き蘢りそうです。

二月革命まだ制作途上(人物画テンペラ油彩混合技法の途中経過)

 正月からこちらを更新をしていなかった(Twitterばかりに引き蘢ってる?)ので、制作途中ですが画像を上げたり、近況の報告などをば。

※部分写真 F100号  


 二月革命、なんですが、何故に裸婦といえば、

ドラクロワからの引用なんですが、二月革命じゃないのかよというと、今回の連作では美術史上の様々な寓意像も取り入れているわけです。
 油彩テンペラで裸婦を描いたのはこれで二度目かと。前回は小品、今回はF100号を横にして実寸より一回り小さい程度。仕事としてはそんなに変わりませんです。ここから肌の色をどうしようかまだ迷ってますw 美人画、理想化された裸婦として観られないようにちょっと工夫せねば、という。
 まだこの人以外にも数十人描いてるんですけどww(道のりは長い)
 最初にテンペラ白でモデリングをして、彩色、またその上にモデリングをしてまた彩色 × 3〜4回くらい、という工程を経ます。
 詳しくはこちらの記事もど〜ぞ



 あとは、美術史学会の聴講してきまして、リフレッシュしました。
 良い季節なのでまた独りハイキングに出かけたいけど、二月革命を進めるためしばらくお篭りしておきます。

ではでは

革命に遅刻遅刻ーーっ C= C= C= ┌(;・_・)┘


    2017年度年賀状

 明けましておめでとうございます。
 2017年、二月革命100周年というのに、いまだ大作の完成をみない小倉涌でございます。
 「赤い旗の群れ、マルクスの顔アイコン、演説台に立つレーニンの姿など、フツーーに思いつくよなモチーフは腐ってもやらないんだから!!」と心に堅く誓って幾星霜、正確には5年なんですが、制作の他にイロイロ活動があったり、自分で納得出来る、腑に落ちる構想を考え抜くことに時間を多く割いたりして、まあ、今は楽しく大作に励んでおります。




 二月革命シリーズとしてはすでに4作は描いてきてますが、この4作でまた一皮むけたような…。今年の賀状にした作品は『皆殺しの天使』というタイトルで、背景はロシアの有名なイコン、そこにマレーヴィチの個展『0、10』展の様子がかかっています。『0、10』はロシア正教での各家庭でのイコン・コーナーを模した展示でした。「天使」は少年ギャングのイメージ、その足下にニガヨモギの葉がはびこっています。黙示録で「ニガヨモギ」としたのは結局誤訳だったようですが、まあ、ここでは描き入れることにしました。キャンバスの縦横比より葉書の縦横比が長いため、賀状では下に『戦艦ポチョムキン』のシーンの写真を配置しました。

抗ガン剤治療終えて

 11月に抗ガン剤治療が終了しました。この4ヶ月間、吐くことは一度も無く、ピザなどこってりしたものも難なく食べられて、気がつけば1キロ体重が増えたりしてました(;´Д`) 抗ガン剤中に太るとは予想だにしなかった… 肌のコンディションにも特に影響は出ませんでした。髪だけはどうしても抜けたわけですが、本など見ると頭髪復活までにはだいたい2〜3ヶ月はかかるとあったのに、10月末からすでに濃くなり出し、11月末には毛根10割が復活してきて、今では黒々とした坊主頭になってます。うちの家系は髪の毛だけは強いようで。早くヴィダル・サスーンなスタイルにしたく、伸びるのが待ち遠しいです。


 それでは、今年もがんばるぞい。