ニューヨーク美術館周回してきたまとめその3。グッゲンハイム美術館、メトロポリタン美術館
ニューヨーク3日目
さてと出発する。今日はこちらは金曜日で、グッゲンハイムとメトロポリタンが遅い時間までやってる。また一時間かけて歩いていこう。歩こう。歩こう。わたしはげんき。
ニューヨーク現在朝7:30、昨日グッゲンハイム美術館に行って来て、ちょうど李禹煥の回顧展をしていたが、フランク・ロイド・ライトの建築見に行くだけでも値打ちある。ロビー以外中は撮影禁止。URL
ただ、建物の中の螺旋構造の壁面に平面作品が架かってると、パネルの下に丸みを帯びた影が落ちる所なんか、なかなかグッときたりした。今度、ここで具体派の展覧会やるらしい。
グッゲンハイムで作家もののアクセサリーで、ピアスとペンダント購入。美術館のちょうどカタツムリ型をイメージしたような可愛らしいデザイン URL
昼過ぎにはメトロポリタン美術館に再度入館。先日タイムオーバーで観られなかった中世初期ルネサンスの絵画、フランドル派など、金曜日閉館時間夜9時まで、じっくり観て回った。
昼間は晴れてたが夕方遅くに雷と大雨に。広大なエジプト神殿展示室では、セントラルパークに向かい天井から床までガラス張りになってるので、外の雷雨の様子も楽しめた。仄暗い照明の広大な神殿と、外のガラスに当たる雨と雷光とを、しゃがんでしばらく眺めてた。滅多にないとても良い体験だった。
この時は本当に良い光景だった。もう、一生の思い出。日が落ち出して暗くなってからの大雨だった。フラッシュ焚きたくなかったので、写真は撮らなかった。画像は、他所のサイトのを拝借した。
以下、メトロポリタン美術館での絵画作品紹介
絵画展示室の照明がやはり明る過ぎるのがきになった。ラトゥールなどの作品にはそぐわないし、日本の国宝重文保持の法規定よりもだいぶ明るいんちゃうか。
ラトゥールのスリ師の女達。男のベージュのベストの下地色はバーミリオン。ズボンと同じ色。肌上層描きにもバーミリオン、老婆の上着や模様、男の帯も。背景にも下層にバーミリオンが置かれてるぽい。輪郭線は墨?あとは、見事としか URL
ベラスケスのキリストとエマ:パッと見て、ベラスケスの印象はしなかった。画雨がラトゥールによく似てる。彼の作品のなかでは珍しいかも URL
ベラスケス←キーワードへのリンクがされなかったので書いておくと。
ベラスケス。宮廷画家だったが、絵にチャラい感じがまるでしない。細やかな情愛や温かみや優しさが筆や色にこもってる感じ。王女のリボン、髪や襟は軽い浅いタッチで描写、そこに愛らしさが出てる。他、男の肖像でもパッと見て即、巧い!と唸るURL
男の肖像というのはこちら。画像からは、この絵の良さがなんとも説明しづらいところ。
どう差があるのか、やはりなんとも説明しづらいところです(;´Д`)
経年で、板絵は全体が反ってくるのが難点。。テンペラの場合、乾燥すると柔軟性が無いのでキャンバスでは描けないから、パネルか板に描かなければならない。
額装部分のアップ。美しいデザインだったので。聖母の手の造形も素晴らしい。
作者はウッチェロではなかった。クレジットも写真に撮っていってたのだが、Marco del Buono Giambelti…。あれ?観てた時はウッチェロと確認したような。「実物との対面は確かこれが初めて。戦争画で有名なのだが、こんな愛らしい顔を描く人とは思わなかった」とか思ってたが…。検索した所、やはりGiambelti作でした。
@YOW_ 作者は誰でしょうか。よろしければご教示ください。12世紀にしては随分ルネッサンスに近いような気がします。ボッティチェルリを彷彿とさせますね。本当に青色がきれい。
2011-08-20 23:10:13 via web to @YOW_
ボッティチェリ或いはボッティチェルリ←やはりキーワードのリンクが出来てなかったので。ツイッター記法では、キーワードは拾ってくれないのかな。
顔部分アップ。描法の印象は「かっちりしてるな」「几帳面だな」。顔の造形がとても素晴らしい。
MET所蔵のクラナーハのサロメは、日本でも2回くらい来て観たな。
3日目は以上。まだレポートは続きます。
ニューヨークの美術館周回してきたまとめその4。MoMA、グランド・ゼロ、ホイットニー美術館、ニューミュージアム、MoMA PS1
ニューヨーク4日目
今日は昼過ぎまでMoMA、そしてグランドゼロに行ってみた。グランドゼロの現在の状況について、特に特筆する事はなかった。まだまだ工事続きそうである。 URL
9.11テロで、1機目の衝突があった速報を当時ニュースステーションで見、続いて2機目衝突の速報が入った時の衝撃と恐怖感は、もちろん今もある。それからのアフガン・イラク戦争へのアメリカ市民の熱狂を知るにつれ、徐々に私の制作テーマが見えてきたのだった。
昼から夜までは、グランドゼロからニューヨーク大学までをピクニックした。グランドゼロウォール街ブルックリン橋連邦裁判所リトルイタリアチャイナタウンソーホーニューヨーク大学という道のり。ただの観光になった今日一日。
今日、MoMAで右の時計買った。昨日はメトロポリタンでアールデコのデザインレプリカの左のを買った。 URL
MoMAの学芸員に、ホワイトキューブについての論文を探してもらおうと、訊いてみたが、質問を英語で用意して行ってなかったためシドロモドロになってしまい、来週に日本語の分かるスタッフが来るのでまた来て、ということになった(。-_-。)
MoMAで、ニューヨーク・ブリッジシティなる都市計画の概要展示。1960年代 URL
ニューヨーク・ブリッジシティ計画のスケッチ URL
これは建築用のブロックらしいです URL
これ自体が整理タンスのデザインらしいですw こういう悪い冗談は嫌いじゃない。 URL
以下はその他、Twitterでは上げてなかったMoMAでの展示。
これは、Matta-Clarkの1974年のワーク。彼は60〜70年代のアース・アートの代表的なアーティスト。チェーンソーで廃屋を輪切りにしたり穴を空けるプロジェクトを発表してる。ドクメンタでもこのプロジェクトやったんだっけ。←間違ってたらスマソ
↓Matta-Clarkのワークの写真を他サイトから拝借
この人の名前を失念してて、ツイートで紹介出来なかった。クレジットも撮影してたから、見直せば良かったんだけどw
そしてジャスパー・ジョーンズやジャクソン・ポロックを接写してて、監視員の人に険しい顔で注意されたりもしたww
イッセイミヤケの、特殊な編み方による生地を使った、服のプロダクトの展示。これのセーターとパンツを私も持ってる。買った人が自分で服を自由に裁断出来る、というもの。フェルトのようにほつれが出ないのだが、目は詰まってなく、ニットのようで、薄手なのだ。着易いのも確か。
歩行者はどこでも信号無視当たり前で、大阪府民でも驚きのレベル。警官は見てても特に注意しない。車も時々信号無視してくる。タクシーは運転は荒いしすごいスピード出すし、けたたましいクラクションを平気で鳴らす。飲食店は公道でオープンカフェ出してるし。交通に関する州法がゆるいんだろうか?
ニューヨークは今23時。今日も夜7時ごろから急な土砂降りに。通りに様々な言語の叫声があがった。 URL
4日目は以上。まだレポートは続きます。
ニューヨークの美術館周回してきたまとめその5。ホイットニー美術館、ニューミュージアム、MoMA PS1
ニューヨーク5日目
今日はホイットニー美術館と、バワリー通りにあるニューミュージアムを回った。帰りはいつも通りハイキング。バワリーからチャイナタウン、コリアンタウンを経て帰って来た。所要時間2時間ほどかな?また、親族向けの土産を買うなどした。観た作品の感想は6時間後。もー寝る
ホイットニー美術館(一昨日):コンテンポラリー部門で、Paul Chan の映像インスタレーションが見れたのは良かった。前回横トリで一番好きだった作家。ここは撮影禁止だったので画像は紹介出来ず。
Paul Chan 2005年 1st light" これをホイットニーで観た。URL
ホイットニー:あとは戦前のアメリカ近代絵画が二つのフロアに展示されてるなど。まあ、この辺のモダニズム絵画は興味ない部門で。
個人の記憶を通して冷戦時代をみていくみたいな内容が多かったかも。私含め日本人が冷戦をテーマにやるとなると、まあどうなるか、考えさせられるところ。日本にとっては高度経済成長と繁栄の時代で、学生運動等を知ってる人以外は、冷戦と言っても多くはピンとこないかもしれない。
@YOW_ 冷戦期の日本というと,激しい東西対立の境界面に居ながら,みなそういう事象は存在しないが如く振舞っているグロテスクさ,という印象ですなぁ.人が殺されてる横で,JKらが知らん顔で明るくおしゃべりしてるようなグロさと言いますかねぇ
2011-08-23 21:13:42 via twicli to @YOW_
ニューミュージアムも撮影禁止だったのだが、ここはサラッといきます。
というのも、映像からの英語をしっかり聞きとったり英語字幕読むのがしんどかったのも大きいww あああ
ニューヨーク6日目 MoMA PS1
今日はこっちは月曜日なのだが、ギャラリーは日月が休業で、明日からまた本格始動。ミュージアムは金曜日以外は5時6時には閉まるが、日照時間が長く、20時過ぎまで日が出てるので、夕方から夜までハイキングの時間。
ハーレムにはタクシーで着いたのだが、さすがに車窓から見てても、一人で歩くのはヤバイなと感じたので、すぐにコロンビア大学の方を目指した。
夏休みだったので、コロンビア、ジュリアード周辺で、学生の姿はあまり見られなかった。
欧米のミュージアムは、司書や作品の出入の管理担当とか、作品貸し出しする際の梱包担当とか、役職がそれぞれ確立してあるんだよね。
MoMAは、キュレーターも分野で独立して仕事していてそれぞれの疎通があまり無い、と日本人学芸員の方は仰ってた。
pS1の中の様子。 URL
ここも展示は撮影禁止だった。以下、好きだった映像作品2点。
ヒステリックにすごい早口でローティーンの女の子たちがお喋りをまくしたてる映像作品「Any ever」2009-2010。作家はRyan Trecartin 。女の子たちのお喋り自体が凶器にすら感じてくる。
私が観たのとは、ちょっと編集が違ってる。
PS1: Francis Alÿsのビデオ作品でロンドン市街で撮られた「Guards」2004-2005は楽しいプロジェクトだった。赤いジャケットに黒い高い帽子の美麗な制服で有名なイギリスの衛兵が、街中で散歩している。すると仲間に路地で遭遇していき、小さな行進が始まる。(続く
続き)路地のあちこちから仲間とはちあわせして、隊列を大きくしていく。ゲームをやってるみたい。というか、単純なゲーム性を感じる。最終的に8×8の隊列が出来上がっていく。下水工事の柵や路上駐車を列を崩さない様に除けて閲兵行進する様など、観客の笑いが起きた。
6日目は以上です。まだレポートは続きます。