蠅の女王

小倉涌 画家 美術家 アーティスト 歴史画

ヘアドネーションと抗ガン剤投与の私



『皆殺しの天使』テンペラ油彩の混合技法 次回個展「二月革命」シリーズ


〜〜〜〜今回の内容〜〜〜〜


● わたくし、これから抗ガン剤治療を受けますヽ(lll´Д`)ノ
● 大阪のとあるヘアドネーション賛同美容室にて
● ガンの代替療法の選択は、死亡遊戯です


 えーー突然ですが、8月から4〜6ヶ月の間、抗ガン剤を投与することになりまして。今回の薬では投与始めると2〜3週間で全ての体毛が抜けることになりますんで(脱毛は薬の種類によりけり)、小児ガン治療等で髪を失った18歳以下の人対象のNPOボランティアへ長かった髪を寄付しました。

⇒ NHKドキュメンタリー にっぽん紀行『髪がつなぐ物語〜大阪 梅田〜』
 女優の柴咲コウさんがナビゲーターとして出演したドキュメント番組をたまたまリアルタイムで観ており、このボランティアを知りました。カットしてもらった所はこの番組に登場したお店ではないのですが。

 はい、ことの顛末を言いますと、8年前、真皮下に直径4cm程のガンが見つかり手術と放射線治療、ホルモン治療を受けまして、その後ずっと執刀した病院で定期的に検査を受けておりましたら、今度は3年前から肺に極小さな腫瘍が見つかり、それが良性/悪性の判別がつかないほど小さかったため経過観察を続けてまして、今年5月に結局悪性と判明、転移性の早期ガンということで6月に肺の一部摘出手術を受けました。脇腹に10cmほどの名誉の勲章である傷をまた受けました。手術中の呼吸機能確保の為の処置の影響で、気管が炎症を受け、術後1ヶ月ほど喘息のような症状で過ごしていましたが、今後の運動能力や肺機能への影響は無いようで、今現在は筋トレも出来るようになってます。
 今回は早期とはいえ、悪性度が高いガン細胞だったため、抗ガン剤でしっかり潰そうという治療方針となりました。副作用に関しては個人差があるので、まだ投与されてみないとどう出るか分らないのですが、吐き気等副作用を抑える薬も沢山処方され、治療中も大作の制作は続けられると思われます。
 目下、大作4点制作中なんですが、これまで以上に複雑な構図にチャレンジしてまして、時間がかかっており(汗汗 群衆を登場させたりしてまして、これぞザ・歴史画!という作品になります。
 最近、俳優の渡辺謙氏がちゃっちゃと胃がん手術してあっという間にニューヨークの仕事場に戻ったというニュースがありましたが、今回の自分もその程度だろうと構えてましたんで、抗ガン剤の話は寝耳に水で、調子狂ってしまいましたが、副作用を抑えられるよう、作業ペースを落とさないで済むよう、医師に相談してやっていきます。脱毛は避けられないようですが、一年後の今頃には5分刈り程度には回復しているかと思われます。抗ガン剤で一度脱毛してもまた回復するようです。*1
 ⇒ がん患者SS TODAY!_治療3 化学療法
 ⇒ 「がん患者のためのアピアランスケアの手引き」エビデンスに基づいた医療者向け指針作成 国立研究開発法人国立がん研究センター

ヘアドネーション賛同美容室にて

 髪の寄付には色々ルールがありまして、それを心得ているお店がいいだろうと言うことで、Japan Hair Donation & Charityにて紹介されていた店へ行きました。20代前半まで、ベリーショートやアフロに近いパーマ等、様々なヘアスタイルを試していたのですが、まあここ20年はずーーーっと黒髪ロングで通してました。まさに自慢の黒髪でしたよ。昔は、太い直毛の髪質の私がショートでボリュームや流れを出すにはパーマするしかなかったものですが、行った先の美容院ではカットのみで巧みに流れを出してみせ、ショートカットの奥深さをもう生まれて初めて思い知ったのでした!何気に参考に持っていった画像がヴィダル・サスーンのスタイルだったのですが、担当さんが「やっと美容師らしい仕事をさせてもらえて、今カットしてるのが楽しいです!」と言って下さいまして、存分に腕を振るって頂けたかと。案の定ですね、ショートの方が似合うんですねこれが。モテてしまいそうで困ります。(*´∀`) facebookのプロフィール写真をこっちに替えます。自分で撮りましたyow

 お店で記念撮影。お店の代表の方の自作の毛髪の模型と一緒にwww

みなさま、ガンは専門の病院で標準医療を受けて下さい。

 今回みなさまに一番言いたいのが、近藤誠医師の「ガンモドキ理論」やガンの自然療法や食事療法を謳うところは、ガン心霊手術と同じくインチキでいつ告訴されてもおかしくない代物なので、関わらないようにして下さい、ということです。全てただの死亡遊戯です。可能な限りの高額な料金をふっかけて、良いカモにされます。ハーブも玄米もガン治療の役には立ちません。ガンが見つかったら病院で外科手術を受け、術後10年間3〜6ヶ月に一度の頻度で検査をしてもらい、転移があっても小さい内に処置してもらえます。
 こちらに代替医療やガン放置推奨論などを批判する様々な記事や意見をまとめておきました。ぜひご覧下さい。
⇒ ガン代替療法とガン放置推奨論への批判記事や批判してる人の意見の収集してみた


ガンの5年生存率の記事。

国がん、日本におけるがんの5年生存率を公表 - 全部位で62.1%

国立がん研究センター(国がん)は7月22日、2006年〜2008年診断症例を対象とした日本におけるがんの5年相対生存率を公表した。全部位では、男性59.1%、女性66.0%、男女計62.1%で、前回比はそれぞれ+3.7、+3.1、+3.5ポイントとなった。


同データは、都道府県が行う「地域がん登録」データを活用して算出されたもので、今回の集計期間には27府県が参加し、そのうち国内精度基準を満たした21県の64万4407症例に対して、全部位と部位別、臨床進行度別、年齢階級別5年相対生存率について集計が行われた。


全部位の5年相対生存率については、前回(2003〜2005年診断症例)集計の男女計58.6%と比較して向上しているが、2006〜2008年の罹患状況を踏まえると、前立腺がんや乳がんなど予後のよいがんが増えたことなどの影響も考えられるため、国がんは治療法の改善などが影響しているとはいえないとしている。


また、部位別に5年相対生存率が高い(70〜100%)群を見ていくと、男性では、前立腺、皮膚、甲状腺、膀胱、喉頭、結腸、腎・尿路(膀胱除く)、女性では、甲状腺、皮膚、乳房、子宮体部、喉頭、子宮頸部、直腸となった。


一方、5年相対生存率が低い群(0〜39%)として、男性は、白血病、多発性骨髄腫、食道、肝および肝内胆管、脳・中枢神経系、肺、胆のう・胆管、膵臓、女性は、脳・中枢神経系、多発性骨髄腫、肝および肝内胆管、胆のう・胆管、膵臓が含まれていた。


どの部位でも、一様に臨床進行度が高くなるにつれ、生存率が低下していて、多くの部位では早期で診断された場合には生存率が良好であることがわかった。また概ね、加齢とともに生存率が低くなる傾向が見られたが、若年者より高齢者の生存率が高い部位や、年齢と生存率との相関がはっきりと見られない部位もあったという。


 ガンも二度目なら、もう祈りもしませんね。自分のは治る病気ですから。体調の崩れや感染症の心配はしてますが、自己管理に励んで『二月革命』を成功させたいと存じます。
 ではでは。



追記:2017年8月1日記事
『抗ガン剤治療開始から一年、治療終了から8ヶ月。髪もショートヘアに戻り。』http://d.hatena.ne.jp/YOW/20170801/p1

*1:http://mainichi.jp/premier/health/articles/20151027/med/00m/010/009000c (川島なお美さんの訃報に際し)「抗がん剤に対する誤解が、さらに広まってしまうのではと危惧しました。この10年ほどの医学の急速な進歩で、抗がん剤の副作用対策はかなり進みました。僕の患者さんには、きちんと副作用管理をして、抗がん剤治療を受けながら仕事を続けている人が大勢います。それなのに「誰もが吐いて、髪の毛が抜けて、体がぼろぼろになって、寝たきり状態で仕事ができなくなってしまう」という世間の抗がん剤のイメージは、ほとんど変わっていません。もちろん、すべての副作用が無くなったわけではなく、不快な症状を伴うことはありますが、旧来の副作用のイメージとは大きく異なるのが事実です。そして患者さんの選択は尊重しなければなりません。ただ、著名人の影響力は大きく、正しい情報を受けられていたのかが気になりました。また、抗がん剤治療への誤解をあおるようなメディアの報道の仕方にも大きな問題があると感じました。」