蠅の女王

小倉涌 画家 美術家 アーティスト 歴史画

個展『二月革命』9月開催 & MotionGalleryエントリーしました

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小倉涌 歴史画シリーズ第二弾 個展『二月革命
場所:LOWER AKIHABARA. ( http://lowerakihabara.com/ )
〒101-0031 東京都千代田区東神田1-11-7 東神田M.Kビル1F
日程:2018年9月22日〜10月6日
開廊時間:AM.11:00〜PM.18:30
休廊日:9/23, 24, 30日です。ご注意下さい。
私は、9/22, 10/5, 10/6に在廊しております。
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テーマ構想は軽口で始まり禁則で締め上げ

 個展『二月革命やるやる詐欺も幾星霜、前回2012年『マッカーサーの子供たち -八月革命』と個展タイトルに掲げたのを機に、「じゃあ次回は二月革命ですかね〜www」と軽口からスタートさせたこのテーマ!!!
 そうです、大上段のアイディアというのはいつも軽口から始まってしまうものなのです。マッカーサーシリーズだってそうでした。

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 2009年の冬に大阪のNAMURAであるアートイベントに行った。イベント後の懇親会で、あるキュレーターの方に挨拶をした際に「私、今度マッカーサーのテーマで作品展やりたいと思ってるんですよ」と、これまた単なるハッタリでポロッと口に出して、自分でも内心驚いていた。
 言ってみてから「ああ、そうか、自分がやりたいのはこれだ」と思い至った。その時のハッタリも、やはり何か直感が降りたから、というわけだ。
 その懇親会の前、イベントでキュレーターの方が「多文化主義」という言葉を頻繁に使っていて、多文化主義について政治哲学の洞察が無い印象だったのだが、そのことで挑戦的な質問をしてみた。会場で目立ちたいが為に。それによる高揚感が、更に懇親会でのハッタリに繋がったのだったと思う。

 「革命続きで、革命がお好きなんですか?」と怪訝そうにされたこともあったが、いえ、革命が好きなんじゃなくて、政治思想史の本読んだり勉強するのが好きなんです(マジレス)
 さて、8年前の歴史画シリーズ第1弾の時もそうだったが、歴史画シリーズをやるにあたり、私はまず「禁則」を設定することから入った。今回、ロシア革命の名を冠してはいるが、


  • プロパガンダ的な表現はせず、抽象性の高さを保たなくてはならない(前回シリーズでも「もっと、show the flagだよ、でないと観てる者が気持ちの持って行きようがないから」といった「助言」が何人かからされたが、そういった表現からは距離をとる方針)
  • 今、歴史画をやるには、過去の歴史画に対し何らかな批評性がなくてはならないため、いわゆる共産趣味的な表現とは一線を画さなくてはならない(これは上の禁止事項と重なる)
  • ノスタルジーエスニックなアピールには依らない表現を目指さなくてはならない(つまりオリエンタリズムになるのを注意して避けなくてはならない)
  •  歴史画の歴史的問題については以下を参照に。  yow.hatenadiary.jp

ロシアの宗教の歴史的背景と歴史的美術

神と革命: ロシア革命の知られざる真実 (筑摩選書)

神と革命: ロシア革命の知られざる真実 (筑摩選書)

 ロシア革命ロシア革命と言っても、広うござんす。何を中心に据えるかの決め手になったのはやはり下斗米伸夫さんの本でしたが、ソビエトの組織化で、ロシア正教に対する異端宗教の地下ネットワークが母体となっていたという記述を読み、その異端は「古儀式派」または「分離派」などと称されるのですが、思えば子供の時、冷戦下ですがよく東側の主だった美術館展が開催されていてそのたびに親に連れて行ってもらっていました。テーマを探ってるうち、子供の時から繰り返し目録でも眺めてきたロシアの有名絵画のいくつかが、この分離派の弾圧を描いた内容だったと改めて思いを致すことになったわけです。何よりも「内心や思想の違いによって、逮捕され投獄されうる」政治体制の恐ろしさというのを、小学生の私に初めて教えてくれたのがこれらの絵画であったため、それだけで私には非常に感慨深いものがあります。

『モロゾーヴァ夫人の逮捕』ワシーリー・スーリコフ、1887年、参照:https://jp.rbth.com/articles/2012/11/26/40155
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『皇女ソフィアの幽閉』イリヤ・レーピン、1879年
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 歴史的絵画の題材でもあったというのは、美術家にとっては大きな足がかりです。ロシア正教、さらには古儀式派という、まったく馴染みの無かった世界をテーマにしてしまうにはかなり勇気を要したため、関連書籍ひたすら読んでるだけで月日が経ってしまったところもありました。宗教観等への理解に関して自信が出来たわけではないのですが、他方で、トルストイ主義という19世紀末から20世紀にかけて各国にも広がったキリスト教社会主義のムーブメントがあったことも合わせて取り入れることにし、なんとか踏ん切りをつけた次第。さらに今回のシリーズでは、コミュニズムというよりも(正確に言えば社会主義革命なんですが)ソビエト政府から追われた側に着目しています。
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MotionGallryにエントリー。

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 最初、企業の助成申請を考えてたんですが、個展開催日程がなかなか決められずにいたら機会を逸してしまい、宣伝を兼ねてクラウドファンディングに初めてエントリーすることにしました。
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 審査もしっかりしているので、こちらに決めました。
 6月22日金曜日午前0時からスタートすることに。ここのシステムは、ふるさと納税みたいに、ご寄付の支援に対しお返し品をそれぞれにお届けすることになってます。そのお返し品を用意するのに、なかなか一工夫要りました。お返し品について、こちらの動画でも説明を行っています。

お返し品その1、精巧な複製品

以前お世話になった株式会社プロスキャンさんという、超精巧な印刷が出来る会社にお願いして、A4大の複製を下記の2種類作っていただくことにしました。作者も困ってしまうほど、再現性の高い印刷です。
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お返し品その2、クロッキー画を大量放出

 すべて一点物なので、先着順になります。
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お返し品その3、猫を描いたパステル画、注文制作で

 ↓サンプル作品です。モデルは、うちの麦。このお返し品を選ばれると、毛色とか品種や他の特徴、実在の猫氏の場合は写真をいただくとか、そういったやりとりをメールですることになります。

クリックするともっと大きな画像で見られます
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 猫の絵は1万円設定、猫以外の注文制作はすみません、家にモデルが猫しかいないので1万5千円に設定しました。

お返し品その4、原画数点

これ以外にも、外に出したことのない、大昔のイラストも出品することに。
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 MotionGalleryスタッフさんからアドバイスで、記録映像というのも撮りためて、最終的に編集して、公開することになりまして。(八面六臂ですね、大学はデザイン学科ビジュアルデザインを出ていて良かったと、今回ほど思ったこともありません)
 その記録映像に、ご希望の場合はお名前を掲載してまいります。


 みなさま、なにとぞご支援のほど、よろしくお願いいたします。