蠅の女王

小倉涌 画家 美術家 アーティスト 歴史画

はてなブックマークタイトル絵こけら落とし 〜ミッション<民主と愛獄>




今回は、わたしたちのはてなブックマーク『For 13maidens' prayer』の新しい看板絵を、楽しく描きましょう。



2006年度看板絵のテーマは、
徹子の部屋



2007年度はてブ看板絵テーマは、
『地獄の黙示録』のプレイメイト慰問。




   そして、今回選んだ題材はこれ。マッカーサーと天皇の有名なツーショットです。

腕ガ鳴ルネー!
では手始めに、アレクサンドル・ソクーロフの映画『太陽 [DVD]』のDVDを借りてきて鑑賞するよ!
太陽 [DVD]

太陽 [DVD]

アラホレサッサー!





公開当時は見くびってて結局見そびれてた。ちゃんと観るべきだったな。


(2006年8月 評論インタビュー:アレクサンドル・ソクーロフ監督『太陽』(2004) - MIYADAI.com Blogのブコメ)
id:YOW『『天皇の他行可能性の無さ』:穿った見方すればこれが今後も帝の聖性発する支えになるかと。「この結末自体が各出来事全体に整合性、線的ストーリーを遡及的に与えてる」事を覆う→やむにやまれなかった物語へ』
なんて当初はネチネチ書いたりして。
前々作の『エルミタージュ幻想 [DVD]』で、ロマノフ家の日常の食事シーンが出てくるんだけど、
一家が集まった食堂で、末っ子のお姫さまがあどけなく何か言ったりする。
『エルミタージュ〜』も良かったんですけどね、ロマノフ家のあの感じで昭和天皇もやるんなら、大した期待はできないなと見くびってた。
それが、『エルミタージュ幻想 [DVD]』よりも、脚本も撮影においても、『太陽』の方がぐっと良かった。


『太陽』の中で、ポツダム受諾後に寝付けなくなった天皇が、ふいに自室で和歌をひねるシーンがありました。あとで皇后に披露して「大して意味は無いんだけどね」と言う。なんとなく下手な詩だったから、皇后も「あそう、」と口をつぐむ。
「雪のように桜の花びらが降り積もってる」(今のわたしや臣民の思いもこうだ)、みたいな内容、詩としてはいたって凡庸だった。
うん…。まあ、そうね…。その時、彼の現前としてることについて思うと、圧倒的すぎて、わたしも皇后と同じように口をつぐんでしまう。
彼のあの平凡さと現前としていることの果てしなさとに、圧倒されてしまう。




まっかーさート晩餐ヲシテイタ部屋ハ、キットアノ報道写真ト同ジ部屋デスワネ。
あめりか大使館カ。
映画デ観テルト、ドウヤラ円形ノ部屋ラシイナ!
円形の方が四角い部屋より、横に広いパースがとれるな、タイトル画には都合が良いから、円形でいきましょう。
模型はShadeで作るよ。



窓の数はちょっぴり欲張ったよ。
もーにんぐ服ノ画像ヲ、集メルネ。
礼装は、理解して描かないとしまらないからね。
髪型ニモ、れとろ感ガ要ルワネ、まっかーさーハ、60年代ノでう゛ぃっど・ぼういミタイナノガ丁度良イワ。
天皇ノ散切り頭ハ、体育会系デ部活熱心ナ女ノ子風ガ、アエテ良サゲダワ。
もでるノ交渉ニツイテハ、正月トイウコトナノデ身近ニ、親ヲ押サエテオイタゾー!
「アノネ、オ母サン、天皇トまっかーさートA級戦犯ヲ、ヤッテ欲シイノ!」
「正月早々何ホザイテンノカシラ、ッタクコノ子ハ!」



作品は、紙にインク、スクリーントーンのアナログ原稿なりぬ
紙は、漫画原稿用紙ではなくいつも北雪ケントを使ひぬ
この度は、ペン先は丸ペンを使ひて、ひたすらハッチング(網状の線を描き込む技法)にて描かむとぞ思ふ
床のタイルの模様も、墨ベタではなくハッチングで黒くしたし
やがて全体的に網状のモデリングが出来しが、更なむスクリーントンの網を貼りまくらん
トーンの網をニードルで削りて、ハッチングの上にハッチング 
もし印刷に持ち込みしたらば、モアレしさうだと、厭がられるぞかし
こないだ、エッチングの作品展みてきたけれど、やっぱ、ペン・インクよりもエッチングの方が黒色が断然きれい。エッチングは、高校の時に授業でやったけれど。今年はやれる場所探してみようかなと。


描キナガラ、コノ世界ニマダ要素ガ欲シイワ、ト思ッテマシタ。
天井ガ平板ナノヲ、どーむ型ニ変エテミルノハドウカシラ。ソレデ、天井ニ空気ノ層ガ出来ルワ。
デハ、早速Shadeデどーむヲ作ルトシヨウ!


・・・・ムムー、ヤッテミタガ、アンマリ面白クナラナカッタ!
どーむノ梁ノでざいんヲ、凝ッテミルトカ?


…ヤッパリ、天井ヲ弄ルコト自体ニ、疑問ガシテキマシタワ、
問題ハ天井デハナサソウダ!
アノネ。キット、窓ノ外ガ、コレハ正解ナンダヨ。
なるほど、これって、パノプティコンだったんだな!
今まで作ってて、全然気付けなかったや。


眺望は、描くよりもPhotoshopで写真はめ込みが合うな。
アノネ。絵ニ描カレル窓ッテ、画家ノ現実逃避ナンダヨッテ、じじぇくガ言ッテタ。
窓辺で黄昏れてポーズする人物、みたいな。まさにありがちなんだなあ。
その言及は、『斜めから見る―大衆文化を通してラカン理論へ』p175、p176での、ヒッチコックの『裏窓 [DVD]』について語ってる箇所。
パノプティコンの中心にあたる「窓辺にたたずんで外を眺める人物」が、現前してる現実への怯えによる現実逃避の先送りで、「外の眺めを見ることで解決策を求めようとしている」、と。
今本が手許になくてノートの記録で書いてるけど。
たまたまここの文を図書館で拾い読みしたのがジジェクの本との最初の出会いで、映画監督でわたしの最も好きな中のヒッチコックとブニュエルについて面白く書かれてたんで、すぐハマっていったわけです。


原稿ハアガッタガ、WEB用ニPhotoshop修正シナイトイケナイノダ!
実物ノ絵ハ、紙ニ反射スル光ニヨッテ視テイル状態ナノデ、もにたデ映シテ視ルト、描イテル時ノ印象トハ変ワッテクルカラダ!
これに丸1、2日かかるのが常なる
タイトル画としては画像縮小を余儀なくせらるゝが、縮小におけるおのれの妥協点を探るなり
縮小に及びて、人物の顔の印象なども変わりたるをも、筆ツールで整形しせり
またスキャナで撮りしおりスクリーントーンが反射し浮き上がってる箇所もありたる
CSSデノ位置調整ニモ、丸1日カカッチャイマス。


タイトルイメージURL:http://d.hatena.ne.jp/images/diary/Y/YOWYOW/titleimg.jpg
ブックマークページ:http://b.hatena.ne.jp/YOW/



今回の作品は前回を凌ぐ出来とあいなりましたね。
わたしも絵描きとしては、コンスタントに良作を描けるように、この数年でなってきました。


では、この度のミッションを終えたひとぞ思ふ
諸君、只今から次なるミッションにかかりたまへ
では<民主と愛獄>、解散!