小倉涌個展『マッカーサーの子供たち』in大阪
8月1日から6日、Oギャラリーeyesさん企画で個展『マッカーサーの子供たち』を開催します。
去年11月東京のGALLERY b.TOKYOさんでやった作品プラス、長辺79cmの板絵テンペラ油彩での少女群像と、小品2点を加えて展示します。
新作の少女らが喪装でポーカーしてる群像なんですが、制作にずいぶん時間かけました。サイズは大きくないけど、内容的にも描き込みも濃い〜です。内容的には大作にひけをとらない出来映えになりました。
以下、メディアや美術関係にむけてのプレリリース用に書いて提出した文章を掲載します。
「歴史画」
美術においてはかつて「歴史画」をその頂点にした「ジャンル」が存在していた。やがて第2次大戦以降に徐々に美術のジャンルというものは廃れてゆき、コンテンポラリー・アートでの様々な表現が成立するようになってきた、と、私は理解している。そんな中で、現代史の「歴史画」をすることで、私はジャンルをまた持ち込むことになるのだ。そしてこうした事がアートにおいてどういう意味や意義を今後紡ぎ出すものなのか、自分でも未だよく分かっていない。また、ジャンルと言っても、おそらく私の後に続く人は無いだろう。私1人がやるだけになるだろう。
私は、幼少期から親によくヨーロッパの美術館展に連れて行ってもらって、古典絵画に対する馴染みがずっとあったのだが、2006年からテンペラ油彩の混合によるオーソドックスな古典画法を独学で学んだ。
こうした技法の問題に加えて、私は以前から政治思想史、社会学、法社会学,法哲学といった分野に関心を持っており、本を読んだりレクチャーに通ったりしていたのだが、その興味の方向性と絵画の技法とが併さったところに、私には「歴史画」というものが現れたのだった。
マッカーサー
今回、マッカーサーと昭和天皇らを、私はいたいけな美少年の姿で表している。この子らは、市民の熱狂と祈りとを、小さな体に一身に背負っている…。
かつて占領時代、マッカーサー宛に推定約50万通の手紙が日本人から送られたという。実に当時の人口の130人に1人が手紙を送った計算らしい。その多数がマッカーサーに好意的で、賛辞や祝辞もあった。そして神格化した肖像画を描いて贈った者も少なくなかったという。そうした、日本人の祈りの欲望の対象としての天皇とマッカーサーの像を、現代風の・現代の日本人が欲望する、美少年の姿に表現した。そして、祈りや熱狂の裏腹に「忘却」というものがあるのだ。昭和テイストに頼らず、ノスタルジーによらない表現を目指した。
このままの文章で掲載されるかは未だ分かりませんが、訂正があればまたこちらも書き直しをしていきます。
場所は、大阪市役所近くのギャラリーが密集してます地域。
広島原爆忌がたまたま開催中に入ってるのが、わたし的には良かったなと思ってます。関西の人、遊びに来てね☆